今や音楽を買いに行く時「レコード屋さんに行く」とはもう言わなくなりました。21世紀の現在は「CD屋さんに行く」の方が自然です。もうレコードは過去の遺物で、聴いている人もほとんどいない骨董品のように考えられています。ちょうどVHSビデオがレンタルショップからなくなって、DVDになってしまったのと同じようなものですね。
そもそもCDはレコードのデメリットをカバーすべく生まれました。
■レコードのデメリット
1.音の劣化・外周部と内周部での音質のばらつき
2.A面B面の入れ替えの手間
3.大きくて場所を取る(持ち運びに不便)
4.割れたり曲がったりしやすい
CD世代の若い人は「A面B面って何?」と思われるかもしれませんが、あったんですよ。レコードには裏と表の面が。
3.4.のデメリットは「カセットテープ」が部分的にカバーしましたが、音質の面や劣化の点でレコードに劣る部分も多く、住み分けができていました。しかしCDはこれらのデメリットを全て解決してしまいました。
デジタルデータなので何回聴いても音は劣化しませんし、どの曲も同じ条件で再生できます。A面B面の概念がなくひっくり返す手間もいらなければ、アルバムの1曲目から最後の曲まで好きな曲をすぐに聴くことができます。その名の通りコンパクトなディスクでCDウォークマンの様に持ち歩いて聴くこともできます。よほどの扱いをしない限り壊れる事もありません。さらに、現在では同じCDを読み込めるドライブを持つパソコンとの親和性も高いこともあり、CDの音楽をパソコンにデータとして取り込む人達も増えています。これだけメリットばかりであれば、レコードを音楽媒体の王座から引き摺り下ろしたのも頷けます。
それでもレコード愛好家は根強く存在します。それはデメリットを逆にメリットと捕らえる趣味人的な嗜好も関係しています。レコード愛好家やDJと呼ばれる人達の考えるレコードメリットは以下のようなものです。
■レコードのメリット
1.レコード独特の音質・音圧がある
2.ジャケットが大きいので見栄えが良く所有感が増す(インテリア的な要素も)
3.CD化されていない音源を聴くことができる
4.ノスタルジーを感じられる
以前は大量に流通したレコードの中古資産のメリットもありましたが、現在は中古レコード自体が少なくなったうえ、すでに大量のCDが中古市場を形成しているので資産的なメリットとは言えなくなりました。
上記のようなメリットをいかに楽しめるかがレコード収集を趣味にする上での踏み絵となります。手軽さやデジタルデータとの親和性を第一に考えるならレコードを趣味にするのはやめた方が無難です。わりと「人を選ぶ」のがレコード趣味なのです。